資産評価額があっても自由になれない人が、投資の役割を見直す話

03 資産の役割を見直す

02で仕事側の備えを見たあとに、今度は資産が「将来の安心」だけでなく「今の選択肢」にどう効くかを整理します。

ここでは、老後資産を育てること今の生活を軽くすること を分けて考え、資産にどんな役割を持たせるかを見直します。資産はあるのに、今の働き方や日々の余白があまり変わっていないと感じるなら、ここで整理します。

読む順番: 04 住宅戦略 → 05 合意形成 → 06 夢と支出設計

こんな人に向いています

  • 投資はしているのに、今の働き方を変えられる気がしない
  • 資産は増えているはずなのに、安心感や自由があまり増えていない
  • NISAや投信は続いているが、何のために積み上げているのかが曖昧になっている
  • 家族を守るために守りを固めてきたが、少し固めすぎた気もする
  • 老後の安心と、今の余白が頭の中で混ざっている

先に結論

長期の積立投資は大切です。

ただし、それだけでは 今の働き方を軽くする自由 までは作れないことがあります。

共働き家庭の資産設計では、

  • 守りの資産
  • 育てる資産
  • 定期で入る資産収入をつくる資産

を分けて考えたほうがうまくいきます。

評価額が増えることと、毎月の自由度が上がることは別の話です。だから必要なのは NISAをやるかやらないか の議論ではなく、資産にどんな役割を持たせるか を整理することです。

今の生活を軽くするのは、評価額より定期的に入るお金

投資しているのに、今が軽くならない理由

NISAの積立投資は、老後資産を作るうえではとても有効です。このサイトの読者層なら、夫婦でかなり積み上げている人も多いはずです。

でも、それでも楽にならない。これが問題の本質です。

なぜかというと、共働き家庭で本当に詰まりやすいのは、今の働き方が重い 住宅費が重い 教育費が重い という現在進行形の問題だからです。10年後・20年後に増える評価額は、今月の余白には効きません。

評価額が増えることと、毎月の自由度が上がることは別の話です。だから 投資しているのに動けない という感覚は、間違いではありません。投資が悪いのではなく、資産の役割分担がまだできていないだけです。

必要なのは NISAをやるかやらないか の議論ではなく、NISAの外に何を置くか を含めた役割設計です。

わが家で遠回りしたこと

私自身、値動きの大きい資産で一勝負するやり方は向きませんでした。含み損のストレスに耐えられず、損失を確定してしまうことが多かったからです。

そこから、守りの資産・育てる資産・定期で入る資産収入をつくる資産、という3つの役割を分けて考えるようになりました。投信、REIT、不動産へ寄せていったのは、派手さよりも続けやすさを優先したからです。その結果、会社依存はかなり下がりました。

ただ正直に言うと、守りを優先しすぎた面もあります。家族を守ることに集中するあまり、自分の夢や楽しみに回る余白まで細くなっていたからです。この反省は 06 夢と支出設計 で詳しく扱います。

共働き家庭の資産は3つに分ける

1. 守りの資産

生活防衛資金、すぐに使えるお金、急な支出に備えるお金です。ここが薄いと、住宅ローンや教育費が重なる時期に一気に不安が膨らみます。収入変動や働き方の変化を受け止める土台でもあるので、まず最初に確保する必要があります。

2. 育てる資産

NISAの積立投資のように、時間をかけて育てる資産です。老後資産の中心になります。インデックスファンドへの定期積立は、高所得の共働き家庭にとっても再現性が高く、やり続けることに意味があります。

3. 定期で入る資産収入をつくる資産

毎月・毎期、安定的に手元にお金が入ってくる資産です。REITの分配金、配当株の配当、不動産の家賃収入がこれにあたります。

重要なのはメカニズムです。給与以外の収入が定期的に入ってくると、給与への依存度がその分だけ下がります。依存度が下がると、今の会社にしがみつかなくてもよい という感覚が生まれ、働き方を変える選択肢が現実的になります。評価額が増えることで得られる安心とは、質が違います。老後を待たずに、今の会社依存を下げるための資産です。

この3つを分けないと、育てる資産だけが積み上がり、老後資産は増えているのに今は全然動けない、という状態になりやすいです。

まずは役割を分ける。そのあとで、具体例を見る

順番を間違えないことが大事です。最初から では不動産投資か では高配当株か と飛ぶと、話が早すぎます。先にやるべきなのは、

  • 守りはいくら必要か
  • 育てる資産はどこまで積み上げるか
  • 定期で入る資産収入をつくる資産

を分けることです。

特に、01で見た 生活維持費 固定費のピーク 働き方を変えても崩れない収入ライン が見えていないままでは、守りをどこまで厚くするかも決めにくい。まずは 01 3つのお金の数字 で家計の土台を見て、そのうえで資産の役割を当てはめたほうが安全です。

与信を使って、定期的に入る資産収入を作るという考え方もある

高所得の共働き家庭には、もう一つの選択肢があります。与信 を使えることです。

与信とは、金融機関から見た 借りられる力 のことです。これを自宅の見栄を最大化するためではなく、家賃収入や分配金など、定期で入る資産収入を生む資産を取得するために使う考え方があります。

候補の一つは不動産投資です。ただし、実物不動産だけでなく、REITのようにもっと軽い形で定期収入をつくる道もあります。もちろん全員に向くわけではありませんし、物件選びや借入条件を間違えれば逆に重くなります。ただ、NISAはやっているが、定期で入る資産収入がほとんどない という人にとっては、検討余地のある選択肢になりえます。

こんな条件なら検討余地がある

次の条件がそろっているなら、定期で入る資産収入をつくる資産 を具体的に検討する余地があります。

  • 生活防衛資金はすでに確保できている
  • NISAの積立も続いている
  • 住宅費と教育費のピークを把握している
  • 借入余力があり、値動きや空室のストレスも受け止められる

逆に、ここが曖昧なままなら、まずは 01 3つのお金の数字04 住宅戦略 を先に固めたほうが安全です。

守りすぎることの副作用

家庭を守るために資産を作ることは必要です。でも、守りだけを積み上げると別の問題が出ます。

  • 今の楽しみがなくなる
  • 家族のための我慢が当たり前になる
  • 夢を語ること自体が悪いことのようになる

このサイトは、高い車や時計を今すぐ買えと言うサイトではありません。ただ、共働きなのに自分の夢や自由まで全部消えていくなら、それも設計の失敗として見直すべきだと思っています。数字は整っているのに 働き方は変えられない 夢に回る余白もない という状態が残るなら、資産の役割分担を見直す必要があります。

よくある反論

老後資産を作るだけで十分ではないか

老後資産は大切です。ただ、今の働き方が重すぎて心身が削れているなら、いま の余白に効く設計も必要です。老後まで待てる問題と、今すぐ軽くしたい問題は、分けて考えるべきです。

キャッシュフロー重視だと投資効率が落ちるのではないか

効率だけで言えばそうかもしれません。でも、家庭の現実は効率だけでは回りません。続けられるか、夫婦で納得できるか、働き方を変えられるかまで含めて見る必要があります。

夢まで考えるのはぜいたくではないか

家族を守ることと、自分の人生を全部削ることは同じではありません。夢は支出の正当化ではなく、どう生きたいかの一部です。

まずやること

  1. いま持っている資産を、守り / 育てる / 定期で入る資産収入をつくるもの、の3つに分けて書き出す
  2. 定期で入る資産収入をつくる資産が、今どれだけあるか
  3. 守りのラインを決める
  4. そのうえで、定期で入る資産収入をつくる資産の具体的な候補を並べてみる

いま第三者を使う価値があるのは、こういうとき

次のどれかに当てはまるなら、このテーマは一人で抱えないほうがいいです。

  • NISAはやっているのに、今の自由がまったく増えない
  • 住宅ローンと教育費が重く、次の一手が見えない
  • 与信を使えるが、どこまで使うべきか判断できない
  • 老後資産と今の余白が頭の中で混ざっている

ここで必要なのは、何かを決めるより前に、資産の役割分担 をはっきりさせることです。

ご利用にあたって

この記事は、筆者の経験や考えをもとに、共働き家庭の設計を考えるための視点を整理したものです。住宅費、教育方針、働き方、資産状況、価値観は家庭ごとに異なるため、このサイトの内容がそのまま当てはまるとは限りません。ご自身の状況に照らして判断し、必要に応じて専門家にもご相談ください。

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